2014年7月14日

街をつくる

このところ、商店街や街の活性化に関する仕事を、何件か続けてお受けしています。

私の場合、「商品」が仕事のテーマですから、商品を通した活性化、が主軸になります。

こうした仕事、難しいですよね。仕事仲間から漏れ聞こえてくるところでは、ややもすると、それ相応の人を呼んでも、「自分の成功事例を言いっぱなし」「ほかで見知った話をコピーして、ただ話すだけ」になりがちで、商店街の人々が困惑するケースが多いらしい。

私について言えば、具体的で、かつ、すぐに役立ててもらえるような提案をしたいと、いつも肝に銘じています。

状況の許す範囲で、またここで、各地の案件に携わった話をご報告できればと思います。

昨年、ある地方のちいさな町を訪れた折、“世界中でそこでしか成し得ない”イベントを、私は提案しました。この夏、それが実行に移されるようです。盛会を祈るとともに、引き続き、私が手助けできることを精一杯やっていきたいと考えています。

2014年7月10日

おとなの歴史

読売テレビの情報番組から、コメント出しの依頼を受けました。
ここに来て、「大人(おとな)の○○」といったネーミングの商品が増えている背景について、のコメントです。

まず、こうしたネーミングの人気商品は、20年以上前からあります。永谷園の「おとなのふりかけ」は1989年発売ですからね。また、雑誌では、「大人(おとな)の○○」と銘打ったものが、2000年前後に相次いで創刊されています。「大人の京都」などのシリーズ(阪急コミュニケーションズ)「おとなの週末」(講談社)、「日経おとなのOFF」(日経BP社=当時は日経ホーム出版社)、など。(日経おとなのOFFという雑誌名は、当時、その創刊企画立案を担当した私が名付けました)。

いま再び、さまざまな商品で「大人(おとな)の○○」が脚光を浴びている事情は、いくつか考えられます。

まず、「いいおとなが少ない」という点。若い(幼い)ことが美徳のような雰囲気すら見られます。「女子会」「女子○○」「○○女子」というネーミングがもてはやされることなど、まさにその表れといえるかもしれません。

「大人(おとな)」という言葉も、どこか半笑いで用いられている傾向が見て取れます。「いいおとな」という意味合いよりも、「あ、俺たち(私たち)、よく考えたらおとなじゃん」という感じ。「大人AKB」なんて、まさしく、そういう文脈のうえで成り立つネーミングですよね。
 
もうひとつは、免罪符=楽しい言い訳としての活用でしょうね。大人のお菓子、大人のお子様ランチにしても、大人向け玩具にしても、まさにそう。これは2000年代半ばに3万円する仮面ライダーベルトが注目を集めた辺りからの傾向といえるでしょう。

ただし、私は「大人(おとな)の○○」というネーミングを否定する立場ではありません。
いいじゃん、いいおとなじゃなくたって、とすら思います。

ノスタルジー消費(昔を懐かしむための消費、子どものころ思い切って買えなかった商品の消費)はいつの時代もあるものですし、いま、そこに「大人(おとな)の○○」という分かりやすい呼称がかぶさっただけ、ともいえますからね。

2014年7月2日

下半期ヒット

ここ1週間、2014年の下半期ヒット商品予測に関する仕事が続いています。今日はこれからトーク収録です。

発売になったばかりのフィリップス・ヌードルメーカーのほか、USJのウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター、グーグルグラスなど、ヒットしそうな製品・サービスが、下半期も数々登場しそうです。

私が思うに、消費増税・負担増の時代だからこそ、人は買い物に真剣勝負を挑むのではないでしょうか。単に安くて品質が平準なものを選ぶのではなく、使える予算が限られるから、なおのこと、その“ルール”のなかでいかに楽しみ、周囲に語れるかを考えるようになる。つまり、買い物への意識はむしろ先鋭化しそうです。

そうしたなかでのキーワード、私は「過剰品質」であると考えています。ここまでやるか、と驚かせる商品だけが、出費に敏感な消費者を振り向かせる力を持つのではないでしょうかね。