2014年5月30日

嗜好品の説得力

昨日は、タカラトミーアーツの取材。
「おかしなフリカケ」から始まった、一連のクッキングトイのマーケティング担当者に、インタビューしてきました。

納豆は424回かき混ぜると最も旨いという分析のもと開発した「魯山人納豆鉢」、既存の他社商品より数千円も高いのにヒットしている「北極流しそうめん」……どれも、まじめなのかふざけているのか分からない商品ばかりです。

インタビューを通して、とりわけ印象に残ったのは、ふたつ。

おもちゃは嗜好品。そうした嗜好品にこそ、「説得力」が必要ということ。それも、短く、端的な言葉で説得できるように心がける。名称ひとつそうですし、狙いどころについてもそうでしょう。

そして、バイヤーに対しては、「いかにも言われそうな話にこそ、積極的に反駁する用意をする」こと。こんな高価格で売れるのか、メンテナンスが面倒そうだ……といった否定的な言葉を、バイヤーは投げかけがちですからね。

マーケティング担当者の話は明快で、かつ、平易でした。同社の商品群の性格そのまま、という感じ。それもまた印象的でした。

2014年5月13日

新聞の読み方

今週は、名古屋→新潟→東京→松本で、連日、セミナーの講師を務めます。そして、金曜からは富山。旅する1週間です。

私が講師を務める際のテーマは、消費トレンドやヒット商品の分析、あるいは強い商品の作り方、といったものが常です。ちなみに、今日の午後に担当する講義は、地方発ヒット商品の事例と、そこから読み取れる教訓を伝える、というものです。

昨日務めてきた講義は、私自身、初めての内容でした。

新聞の読み方です。
ある大手企業とそのパートナー企業の若手社員向けに話しました。
ネットのニュース記事を読むのと、紙の新聞を手にするのでは何が違うのか。紙の新聞のメリットは何で、どう活かすと得なのか。こんな話です。

Yahoo!などに掲載されるニュース、新聞社が提供する電子版、そして紙の新聞。それぞれに活用法がある一方で、若いビジネスパースンはえてして紙を敬遠しがちです。でも、紙を嫌うのはちょっと待ってね、という話をした90分間でした。

2014年5月9日

ネットからリアルへ

昨日は、東京・渋谷のtab社を訪れ、ミーティング。
代表取締役社長 兼 CEOの谷口昌仁氏の話を聞くなかで、とりわけ興味深かったひと言がありました。

「ネットからリアルへ」。
人は、リアルな世界への興味を取り戻していく、という話です。
私も同意します。
地方の特産品のお取り寄せも楽しいものですが、どうせなら、それが作られる場所に行ったほうが、もっと楽しい。
人々のそうした意識に応えることで、リアルの世界(たとえば各地の商店街や中小企業)が活気を再び得る契機を創出する、という考えに、全面賛成です。同社が展開するスマートフォンアプリ「tab」は、まさにそうした狙いの許に構築された存在なわけですね。

私も遅ればせながら、tabのユーザーとして、このアプリを積極的に活用しようと思いました。自分の気になる店なりスポットなりをクリップできるアプリです。

さて、何をクリップするか。まずは「昼酒の名店」からいってみることにします。夜中からの仕事後、あるいは出張先で仕事を終えた後のひととき、昼酒をちょっとやるのは私の趣味ですから。

2014年5月6日

足許の宝物を

GWが終わりました。
郷里での取材、東京での打ち合わせなどを重ねた、貴重な時間でした。

地方から世界に向けた商品を生み出した和菓子職人にインタビューする機会にも恵まれました。そこで感じたのは、やはり「足許の宝物を活かすという考え方」がヒット商品を創出するのだということ。急ごしらえ、厚化粧、必然性なし、のなかからは、真のヒットは出てこないのではないでしょうか。

GW明けの明日からも、取材・執筆・メディア出演、精一杯、力を尽くしてまいります。

写真は「T五(てぃーご)」という干菓子。これは何?と思わせるほどに洒脱な仕上がりですが、まごうことなき和菓子です。お茶にもコーヒーにも、アルコールにも合うという、胸おどる一品であると、私は評価します。