2014年6月19日

牛乳に旬はある

今日は、食品メーカー、卸、小売、200人超を前に、「食のトレンド」について講演をしてきました。その道のプロを前に、その道の潮流を語るというのは、いつもながら緊張します。もちろん、考えるところのすべてを、一生懸命お伝えしました。

こうした講演の後の時間が、私にとっては重要なのです。懇親の席で、今度は私のほうが面白い話を聞くことができますから。

今日、盛り上がったのは、酪農の話です。

一軒の酪農家が絞って出荷した牛乳。その乳がどのように流通し、どんな乳製品になって、消費者の口に届くか、酪農家はまったく分からないのだそうです。

そこでいくつか質問をしました。プロの方からの答えを通して考え、私がその場で、商品化のアイデアとして提案したことをまとめます。

・牛乳には旬がある(よくよく考えれば、当たり前のことかもしれませんね)。春に子どもを産んだ2〜3カ月後までの牛乳はひときわ美味しいらしい。

・その旬の牛乳を、たとえ高価格でもいいから、売ってほしい。どの酪農家の手になるものかの情報も添えてもらいたい。

・高温殺菌だと、いくら旬の牛乳でも、味は平準化してしまう。しかし、70℃ほどの低温殺菌であれば、旬らしさは十二分に感じることができるとのこと。ならば、ぜひ低温殺菌で。

・そうした商品、まだないとのことでした。ならば、ぜひ、先鞭をつけてほしいとお願いしました。コモディティ商品の典型である牛乳の世界が、これで変わるかもしれませんよね。

どんな味なのか。これは、ひとりの消費者としても、ぜひとも飲んでみたいと思いました。

2014年6月14日

闘う!商店街

昨日、ある商店街の理事長、自治体職員、自治体の議員が出席する会議に招かれました。テーマは「10年後に向けた、この商店街の生き残り」。昨日が、その会議の第1回でした。

商店街の理事長は、粋なセンスの持ち主で、かつ、商店街の未来を熱く語る気概のある人です。そのセンスと気概を生かすために、私にできることは何か。昨日からずっと考えています。

備忘録を兼ねて、会議のなかで出たキーワードの断片を書き留めます。

・お客を育てる商店街
・いいオンナが訪れる商店街
・商品の自律開発力を備えた店が2割以上存在する商店街
・商品のことを熱く語れる店舗スタッフがあふれる商店街
・商店主がアーケードの通りに佇む姿がさまになる商店街

2014年6月2日

自腹でいこう

『すず』という短編映画は、高岡市の伝統産業青年会が制作した作品です。
鋳物や漆器製作といった伝統産業に携わる青年層が作り上げました。

 テーマは「職人の跡継ぎ」。
 著名な映像作家が監督を務めており、イタリア・フィレンツェで催された映画祭にも出品され、好評を得ています。YouTubeにもアップされていて、その再生回数はすでに1万2000回を超えました。地域活性化や地場産業アピールをかかげた短編映画の再生数としては、立派な数字でしょう。

 この『すず』、私が評価する点はもうひとつあります。伝統産業青年会は、映画の制作にあたって、国や自治体からの補助金を受け取っていないと聞きました。県外での「鋳物体験イベント」で稼いだお金を、制作費に充てたといいます。

 これは重要なポイントです。こうした“地ムービー”、いま各地で作られていますが、補助金を制作費に充てた場合、作品の上映方法や活用方法に、どうしても、あれやこれやと制限が生まれることもあるらしいのです。

 完成した『すず』を海外の映画祭に出品したり、YouTubeにアップしたりと、自由に活用できているのは、彼らが自腹で制作したことと無関係ではないでしょう。その結果、高岡の地場産業を、自分たちの思うかたちで国内外にアピールできたのです。ちなみに、総製作費は「軽自動車の新車1台分くらい」というから、費用対効果はかなり大きいといえるでしょうね。

https://www.youtube.com/watch?v=dAC8E7L8Fug