2014年12月30日

この1年のお礼

2014年も残すところ2日です。
この1年、お世話になりました。

おかげさまにて、今年は、新しい領域の仕事に携わることができました。

拙著『途中下車』が、NHK総合テレビでドラマ化。
老舗の人気雑誌「婦人公論」でのコラム連載開始。

郷里の富山では、毎週土曜、生番組でのコメンテーター役を担当。
また、中心市街地のグランドデザインを模索するための会議もスタート。
毎週末、郷里に帰るという仕事生活が始まりました。

ご当地アイドルに提供する楽曲のプロデュース・作詞を担ったのも、いい思い出です。

みなさんに応援していただいた1年でした。お礼申し上げます。

2015年は……
いま、書籍の次回作を執筆中です。まったくの新しいテーマに挑んでいます。
地域おこし関連では、新年早々、北海道、沖縄などに行ってまいります。
郷里の仕事では「富山の名料理人 私が駅弁を創るなら」と銘打つイベントを企画立案し、2月の開催に向けて、ただいま準備中。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

2014年12月18日

あと1週間で…

年の瀬です。皆さん、お忙しい毎日とお察しします。

拙著が原作のドラマ「途中下車」の放送まで、あと1週間。12月25日クリスマスの夜10時、NHK総合テレビでの放映です。NHKの「途中下車」ウェブサイトが見どころいっぱいですので、ぜひご覧いただければと思います。スタッフブログには、私も知らなかった制作の裏話が多々綴られています。
http://www.nhk.or.jp/drama/tochuu/

季節柄、私は連日、この1年のヒット商品分析や、来年のヒット予測に関する仕事に携わっています。今日の午前は、全国のFM局をネットするJFNの朝の番組「サードプレイス」の収録でした。元日の朝、5時30分からの放送です。初日の出を眺めに出かけるクルマの中ででも、お聴きくだされば……。元旦に放送される番組に出演できるというのは、ありがたいものです。なお、1月8日にも2週連続のかたちで出演します。

明日の昼放送のTBSテレビ「ひるおび」では、とある不思議ヒット商品に関するコメント出演。年末らしいカテゴリーの商品なのですが、ちょっと面白い現象が起きていることへのコメントを、収録で語りました。

来春の刊行を目指し、書籍の次回作の原稿にも取りかかっております。また、タイミングを見て、ご報告させてください。

これから長丁場の出張です。この年末年始は、休み返上で、少しでも皆さんのご期待に沿える仕事を進めてまいりたいと思います。

2014年11月20日

クリスマスは…

今月は地方出張が多く、東京に腰を落ち着けられる時間がなかなか取れません。

そんななか、先日、TBSラジオのスタジオにて、特番の収録に臨みました。
11月23日の午後7時から放送予定の「歌のない歌謡曲 東京モノがたり」。
遠藤泰子さんの素晴らしいナレーションのもと、東京の伝統工芸の世界に迫ります。私は、遠藤さんのアシスタント 兼 コメンテーターといった感じでの出演。職人さんが語る言葉には力がありましたし、かなり面白い番組に仕上がったのではないかと、出演者のひとりとして自負しています。首都圏以外の方も、ぜひパソコンやスマホ経由で、radiko.jpプレミアムを使ってお聴きいただければと思います。

さて、もうひとつご報告です。
拙著が原作のドラマ「途中下車」(NHK総合テレビ)の放送日が発表されました。
12月25日の午後10時からです。放送日が、まさかのクリスマス。原作者として、ただただ嬉しく、ありがたい限りです。
クリスマスの夜、ぜひお楽しみいただければ。

2014年11月3日

そこまで、やるか!?

東京での仕事と、出張仕事を繰り返す毎日です。

今日は、排気量1.5リットルのクリーンディーゼルを搭載したマツダデミオに試乗したのち、今週の講演資料の作成と、明日の地域産品アワードの会議に向けた審査資料の整理をして、羽田空港に向かい、夜は、とある地方のイタリア料理店のオーナーに、ぶっつけ、飛び込みの仕事交渉でした。

こうして仕事をしていて思うこと。
いい仕事を形にしている企業や人物に共通するのは、「びっくり」を提供していることであると、改めて感じます。そこまでしなくてもいいのに、過剰なまでに「ほかにはない何か」を提供する――この時代にヒット商品を生むには、やはりそこがポイントなのですね。

「過剰品質」こそが日本のものづくりのうえで大事、と力説しているのは、1950年代に日本初の純国産Tシャツを発売し、いまも商品の独自性を武器に闘い続ける、久米繊維工業の久米信行さんです。

「その日に築地に揚がる、第一線級の魚だけを仕入れる」を旗印にするのは、遠方からも客を呼ぶ鮮魚店、根津松本の松本秀樹さん。過剰品質にして、びっくりもそこに確実にある。

「そこまで、やるか!?」は、ヒット商品のキーワードであると思います。今日試乗してきたデミオのディーゼルエンジンにしたって、まさにそう。

私自身の仕事も、そうありたいと、肝に銘じているところです。

2014年10月31日

年末間近の仕事

明日から11月です。私にとっては、もう年末突入という感じ。今年売れた商品の総括、あるいは来年の予測などの仕事に携わる機会が増えるからです。

このところの仕事内容をご報告します。

拙著が原作のNHKドラマ「途中下車」は、制作順調とのこと。12月にNHK総合テレビで放送予定です。放送日や時間帯などが決まったら、またお伝えします。

書籍の次回作が決まりました。商品ジャーナリストという肩書で仕事をしている私ですが、前作に続き、次の著作でも、商品のヒット分析や地域おこしの業務とは全く異なる、新たなテーマに挑戦させてもらえることになりました。いま、頑張って執筆中です。来春の刊行を目指しています。

地方での仕事。今年の夏は郷里・富山で「スイカ割り世界大会」を企画立案し、テレビ地上波の全国ネットでも紹介されるほどに話題となりました。やはり郷里で、いま、よそではあまりやらない(やれない?)ようなイベントの準備を進めています。今晩もこれから、その交渉ごとに臨みます。







2014年10月3日

審査委員の務め

今週は、2つのアワードの審査委員を務めました。

どちらも審査結果の発表がまだなので、具体的なところはここに書きませんが、1つはプロダクト全般に関わるアワード、もう1つは生活に密着した商品に関連したアワードでした。

こうしたアワードの審査の場に呼んでもらえるのは、とてもありがたいことです。商品全般の取材を続けてきた経験を活かす場になりますし、また、審査を通して新たな勉強ができますからね。今週の2つの審査、どちらも私にとって有意義な時間となりました。

私は編集者時代、年間のヒット商品ランキングを時間をかけて検討し、発表する立場にありました。そのなかで自然と身に付いた考え方があります。

アワードの審査で必要なこと。

まず、何をもって良しとするのか。新規性なのか、売り上げなのか、商品の質や機能なのか。あるいは話題性なのか。これまで数々の審査委員を務めてきましたが、こういう基本線が、えてしてぶれがちだなあと感じています。ですから、私は必ずここを最初に確認し、審査委員の間でずれを起こさないように努めています。

次に、公平性です。アワードで表彰しようかと検討している商品があるとして、その商品より先に、実は同じような別の商品が他社から出てしまっていないか。また、数多のライバル商品を表彰せずに、他ならぬこの商品を表彰する理由は何なのか。こうした点を曖昧にしたまま表彰する商品を選ぶと、アワードの価値自体に傷をつけることになります。

最後に大事なのは「景色」を確認することであると、私は思います。表彰対象となった商品なりランキングなりの全体像を眺める作業。「今年の景色」をしっかりと反映しているか、何か大事なものを見落としていないかを、この目で確認するのです。これが締めくくりの大切な仕事です。

2014年10月2日

緊張の内定式

昨日は10月1日。たくさんの企業で、新卒採用者の内定式が催された日でした。

私も内定式に参加しました。あるメーカーの研修講師として、です。
内定証書を授与された後の1時間が、私が受け持った講義の時間だったそうです。みなさん、真剣なまなざしで話を聴いてくれて、講師冥利に尽きました。
話の内容は、ざっくりと言うと、社会人になるにあたって、何を使ってどのように学んでいくかというもの。過去にもこうした研修の講師を務めたことがありますが、10月1日の内定式当日に、というのは初めてのことで、私まで、なんだか緊張してしまいました。
来春の新社会人たちがこれから大いに活躍できるよう、祈っています。

2014年9月15日

拙著がドラマに

拙著『途中下車』(河出書房新社)のテレビドラマ化が決定。クランクインの運びとなりました。

NHK総合テレビで、この年末の放送。ドラマのタイトルは原作と同じ「途中下車」です。主人公は北村一輝さん、その妻が原田知世さん、カウンセラー役は野際陽子さん。

「仕事、ストレス、家族」をテーマにしたドラマです。

このようなご報告ができますこと、とても嬉しく、またありがたく感じています。

http://www.nhk.or.jp/dramatopics-blog/8000/197198.html

2014年9月5日

ギフト・ショー

一昨日、昨日と、2日続けて、ギフト・ショーの取材に行ってきました。
一昨日はTBSテレビ「あさチャン!」のロケ収録。昨日はTOKYO MXニュースの収録と、RKBラジオ「ウメ子食堂」に会場内から生出演しました。

ギフト・ショーの取材には3つの意義があると、私は思います。
・次のヒット商品の芽を見つけられる
・すでにヒットした商品が放つ、次の一手を探れる
・若手中堅デザイナーやクリエイターの息づかいに触れられる

今回も収穫の多い取材となりました。

ギフト・ショー取材を終えた後は、仕事場に戻って、東芝の掃除ロボット「トルネオ ロボ」の試用チェック。同社が初めて自社開発した掃除ロボットとして注目されています(前モデル「スマーボ」の中身は韓国サムスン製でしたからね)。ちょっと面白い結果が出ました。

来週発売の「サンデー毎日」の連載コラムに、その結果を綴っています。

2014年8月27日

高校生に初講義を

昨日、滑川(なめりかわ)高校の商業科に在籍する生徒、およそ40人を前に、1時間の講義をしてきました。高校生への講義は初めてのこと。場所は東京・代々木のオリンピックセンターだったのですが、会場は学校の教室ふうの空間だったこともあり、この1時間だけは自分がなんだか教師になったような感覚で、なかなかに新鮮な体験でした。

生徒たちは、東京への研修旅行のさなか。3泊4日の都内滞在の間に、商店街を視察したり、販売実習をしたり、マーケティングをテーマにした学習をしたりと、忙しく動くようです。私の講義は第1日目の最初のプログラム。「地域の宝を生かす」とはどういうことか、「地域活性化で陥りがちなワナ」とはなにか、などを話しました。

高校生を前に話すというのは、実に難しいことと実感しました。難しい言葉を極力避け、簡単な表現を選びながら、要点を解説するという作業です。私自身が勉強になりました。

写真は私の講義風景。おとなを相手の講義より、ちょっと緊張ぎみ。



2014年8月22日

電子書籍に

拙著『途中下車』の電子書籍版が、今月発売の運びとなりました。

http://www.amazon.co.jp/ebook/dp/B00LSQ8FBQ/ref=tmm_kin_title_0?
_encoding=UTF8&sr=&qid=

http://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-08-9988276877

もしよかったらご購入くだされば、と思います。

拙著につきましては、今後も新たな動きをご報告できそうです。
また、このページでお伝えさせていただきます。

2014年8月19日

世界大会の成功

8月も後半になりました。前半は出張続きの毎日をおくっていました。
奈良県産の高級靴下をつくりあげたマネージャーと工場を取材。また、ご当地アイドルに詞を提供した楽曲が、ある港町の盆踊りに採用されたので、その祭りを見学、など。
出張の合間は原稿書きです。ある女性誌で短期連載ながらコラムを執筆することになり、その準備などをしていました。

さて、お盆間近のある週末。富山県の入善(にゅうぜん)という小さな町で、世界大会が催されました。スイカ割りの世界大会です。

入善という町は、日本で一番大きなスイカを生産しています。サイズは40×30センチほど。重さは25キロほど。値段が8000円くらいはする超高級品で、主に贈答用として売られています。この超高級スイカを割ってしまおうというイベントです。

全国各地で、いま、町おこしのイベントが催されていますが、私、いつも思うのです。そこに必然性があるか、厚化粧したものではないか、急ごしらえではないか。そうしたイベントは、すぐにメッキがはがれます。

入善は、スイカ割りの世界大会を催すのに、最も相応しい町です。日本一、いや世界規模でみてもトップ級のサイズのスイカを生産していることが、その根拠。世界中で、日本の入善でしかできないイベントと言っていい。

しかも、スイカ割りって、いまの子どもたちはなかなか体験できませんよね。家庭で一玉単位でスイカを買うことって、そうないですから。

このイベントを開催するまでには、いくつものハードルがあったようです。
「身を削る思いで育てた、この立派なスイカを叩き割るのか」と、生産者の声が挙がりました。これはまあ、もっともなこと。

それに対して、生産者でもある地元JAの組合長は、こう言って説得したそうです。
「スイカは、割らないと、食えんから」

主催した商工会青年部やJAメンバーも、説得のために策を練りました。
「これは、スイカを奉るイベントなんです」
青年部メンバーの大工がスイカの神輿を造り、スイカを奉納する儀式を、世界大会の開会式で行いました。スイカを叩き割る木刀は、やはり青年部メンバーの建具屋さんの手になるもの。

世界大会には、県内のチームだけでなく、アメリカ、ブラジル、中国のチームも参戦。おおきな盛り上がりを見せ、第1回の開催にもかかわらず、その様子は、地元テレビ局のみならず、全国ネットでも放映されたというオマケ付き。

この世界大会、もともとは、私が発案したものです。私が言い出しっぺなもので、責任をもって、特別審判長を務めました。スイカ割りの審判なので、こんな衣装で。





2014年7月14日

街をつくる

このところ、商店街や街の活性化に関する仕事を、何件か続けてお受けしています。

私の場合、「商品」が仕事のテーマですから、商品を通した活性化、が主軸になります。

こうした仕事、難しいですよね。仕事仲間から漏れ聞こえてくるところでは、ややもすると、それ相応の人を呼んでも、「自分の成功事例を言いっぱなし」「ほかで見知った話をコピーして、ただ話すだけ」になりがちで、商店街の人々が困惑するケースが多いらしい。

私について言えば、具体的で、かつ、すぐに役立ててもらえるような提案をしたいと、いつも肝に銘じています。

状況の許す範囲で、またここで、各地の案件に携わった話をご報告できればと思います。

昨年、ある地方のちいさな町を訪れた折、“世界中でそこでしか成し得ない”イベントを、私は提案しました。この夏、それが実行に移されるようです。盛会を祈るとともに、引き続き、私が手助けできることを精一杯やっていきたいと考えています。

2014年7月10日

おとなの歴史

読売テレビの情報番組から、コメント出しの依頼を受けました。
ここに来て、「大人(おとな)の○○」といったネーミングの商品が増えている背景について、のコメントです。

まず、こうしたネーミングの人気商品は、20年以上前からあります。永谷園の「おとなのふりかけ」は1989年発売ですからね。また、雑誌では、「大人(おとな)の○○」と銘打ったものが、2000年前後に相次いで創刊されています。「大人の京都」などのシリーズ(阪急コミュニケーションズ)「おとなの週末」(講談社)、「日経おとなのOFF」(日経BP社=当時は日経ホーム出版社)、など。(日経おとなのOFFという雑誌名は、当時、その創刊企画立案を担当した私が名付けました)。

いま再び、さまざまな商品で「大人(おとな)の○○」が脚光を浴びている事情は、いくつか考えられます。

まず、「いいおとなが少ない」という点。若い(幼い)ことが美徳のような雰囲気すら見られます。「女子会」「女子○○」「○○女子」というネーミングがもてはやされることなど、まさにその表れといえるかもしれません。

「大人(おとな)」という言葉も、どこか半笑いで用いられている傾向が見て取れます。「いいおとな」という意味合いよりも、「あ、俺たち(私たち)、よく考えたらおとなじゃん」という感じ。「大人AKB」なんて、まさしく、そういう文脈のうえで成り立つネーミングですよね。
 
もうひとつは、免罪符=楽しい言い訳としての活用でしょうね。大人のお菓子、大人のお子様ランチにしても、大人向け玩具にしても、まさにそう。これは2000年代半ばに3万円する仮面ライダーベルトが注目を集めた辺りからの傾向といえるでしょう。

ただし、私は「大人(おとな)の○○」というネーミングを否定する立場ではありません。
いいじゃん、いいおとなじゃなくたって、とすら思います。

ノスタルジー消費(昔を懐かしむための消費、子どものころ思い切って買えなかった商品の消費)はいつの時代もあるものですし、いま、そこに「大人(おとな)の○○」という分かりやすい呼称がかぶさっただけ、ともいえますからね。

2014年7月2日

下半期ヒット

ここ1週間、2014年の下半期ヒット商品予測に関する仕事が続いています。今日はこれからトーク収録です。

発売になったばかりのフィリップス・ヌードルメーカーのほか、USJのウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター、グーグルグラスなど、ヒットしそうな製品・サービスが、下半期も数々登場しそうです。

私が思うに、消費増税・負担増の時代だからこそ、人は買い物に真剣勝負を挑むのではないでしょうか。単に安くて品質が平準なものを選ぶのではなく、使える予算が限られるから、なおのこと、その“ルール”のなかでいかに楽しみ、周囲に語れるかを考えるようになる。つまり、買い物への意識はむしろ先鋭化しそうです。

そうしたなかでのキーワード、私は「過剰品質」であると考えています。ここまでやるか、と驚かせる商品だけが、出費に敏感な消費者を振り向かせる力を持つのではないでしょうかね。

2014年6月19日

牛乳に旬はある

今日は、食品メーカー、卸、小売、200人超を前に、「食のトレンド」について講演をしてきました。その道のプロを前に、その道の潮流を語るというのは、いつもながら緊張します。もちろん、考えるところのすべてを、一生懸命お伝えしました。

こうした講演の後の時間が、私にとっては重要なのです。懇親の席で、今度は私のほうが面白い話を聞くことができますから。

今日、盛り上がったのは、酪農の話です。

一軒の酪農家が絞って出荷した牛乳。その乳がどのように流通し、どんな乳製品になって、消費者の口に届くか、酪農家はまったく分からないのだそうです。

そこでいくつか質問をしました。プロの方からの答えを通して考え、私がその場で、商品化のアイデアとして提案したことをまとめます。

・牛乳には旬がある(よくよく考えれば、当たり前のことかもしれませんね)。春に子どもを産んだ2〜3カ月後までの牛乳はひときわ美味しいらしい。

・その旬の牛乳を、たとえ高価格でもいいから、売ってほしい。どの酪農家の手になるものかの情報も添えてもらいたい。

・高温殺菌だと、いくら旬の牛乳でも、味は平準化してしまう。しかし、70℃ほどの低温殺菌であれば、旬らしさは十二分に感じることができるとのこと。ならば、ぜひ低温殺菌で。

・そうした商品、まだないとのことでした。ならば、ぜひ、先鞭をつけてほしいとお願いしました。コモディティ商品の典型である牛乳の世界が、これで変わるかもしれませんよね。

どんな味なのか。これは、ひとりの消費者としても、ぜひとも飲んでみたいと思いました。

2014年6月14日

闘う!商店街

昨日、ある商店街の理事長、自治体職員、自治体の議員が出席する会議に招かれました。テーマは「10年後に向けた、この商店街の生き残り」。昨日が、その会議の第1回でした。

商店街の理事長は、粋なセンスの持ち主で、かつ、商店街の未来を熱く語る気概のある人です。そのセンスと気概を生かすために、私にできることは何か。昨日からずっと考えています。

備忘録を兼ねて、会議のなかで出たキーワードの断片を書き留めます。

・お客を育てる商店街
・いいオンナが訪れる商店街
・商品の自律開発力を備えた店が2割以上存在する商店街
・商品のことを熱く語れる店舗スタッフがあふれる商店街
・商店主がアーケードの通りに佇む姿がさまになる商店街

2014年6月2日

自腹でいこう

『すず』という短編映画は、高岡市の伝統産業青年会が制作した作品です。
鋳物や漆器製作といった伝統産業に携わる青年層が作り上げました。

 テーマは「職人の跡継ぎ」。
 著名な映像作家が監督を務めており、イタリア・フィレンツェで催された映画祭にも出品され、好評を得ています。YouTubeにもアップされていて、その再生回数はすでに1万2000回を超えました。地域活性化や地場産業アピールをかかげた短編映画の再生数としては、立派な数字でしょう。

 この『すず』、私が評価する点はもうひとつあります。伝統産業青年会は、映画の制作にあたって、国や自治体からの補助金を受け取っていないと聞きました。県外での「鋳物体験イベント」で稼いだお金を、制作費に充てたといいます。

 これは重要なポイントです。こうした“地ムービー”、いま各地で作られていますが、補助金を制作費に充てた場合、作品の上映方法や活用方法に、どうしても、あれやこれやと制限が生まれることもあるらしいのです。

 完成した『すず』を海外の映画祭に出品したり、YouTubeにアップしたりと、自由に活用できているのは、彼らが自腹で制作したことと無関係ではないでしょう。その結果、高岡の地場産業を、自分たちの思うかたちで国内外にアピールできたのです。ちなみに、総製作費は「軽自動車の新車1台分くらい」というから、費用対効果はかなり大きいといえるでしょうね。

https://www.youtube.com/watch?v=dAC8E7L8Fug



2014年5月30日

嗜好品の説得力

昨日は、タカラトミーアーツの取材。
「おかしなフリカケ」から始まった、一連のクッキングトイのマーケティング担当者に、インタビューしてきました。

納豆は424回かき混ぜると最も旨いという分析のもと開発した「魯山人納豆鉢」、既存の他社商品より数千円も高いのにヒットしている「北極流しそうめん」……どれも、まじめなのかふざけているのか分からない商品ばかりです。

インタビューを通して、とりわけ印象に残ったのは、ふたつ。

おもちゃは嗜好品。そうした嗜好品にこそ、「説得力」が必要ということ。それも、短く、端的な言葉で説得できるように心がける。名称ひとつそうですし、狙いどころについてもそうでしょう。

そして、バイヤーに対しては、「いかにも言われそうな話にこそ、積極的に反駁する用意をする」こと。こんな高価格で売れるのか、メンテナンスが面倒そうだ……といった否定的な言葉を、バイヤーは投げかけがちですからね。

マーケティング担当者の話は明快で、かつ、平易でした。同社の商品群の性格そのまま、という感じ。それもまた印象的でした。

2014年5月13日

新聞の読み方

今週は、名古屋→新潟→東京→松本で、連日、セミナーの講師を務めます。そして、金曜からは富山。旅する1週間です。

私が講師を務める際のテーマは、消費トレンドやヒット商品の分析、あるいは強い商品の作り方、といったものが常です。ちなみに、今日の午後に担当する講義は、地方発ヒット商品の事例と、そこから読み取れる教訓を伝える、というものです。

昨日務めてきた講義は、私自身、初めての内容でした。

新聞の読み方です。
ある大手企業とそのパートナー企業の若手社員向けに話しました。
ネットのニュース記事を読むのと、紙の新聞を手にするのでは何が違うのか。紙の新聞のメリットは何で、どう活かすと得なのか。こんな話です。

Yahoo!などに掲載されるニュース、新聞社が提供する電子版、そして紙の新聞。それぞれに活用法がある一方で、若いビジネスパースンはえてして紙を敬遠しがちです。でも、紙を嫌うのはちょっと待ってね、という話をした90分間でした。

2014年5月9日

ネットからリアルへ

昨日は、東京・渋谷のtab社を訪れ、ミーティング。
代表取締役社長 兼 CEOの谷口昌仁氏の話を聞くなかで、とりわけ興味深かったひと言がありました。

「ネットからリアルへ」。
人は、リアルな世界への興味を取り戻していく、という話です。
私も同意します。
地方の特産品のお取り寄せも楽しいものですが、どうせなら、それが作られる場所に行ったほうが、もっと楽しい。
人々のそうした意識に応えることで、リアルの世界(たとえば各地の商店街や中小企業)が活気を再び得る契機を創出する、という考えに、全面賛成です。同社が展開するスマートフォンアプリ「tab」は、まさにそうした狙いの許に構築された存在なわけですね。

私も遅ればせながら、tabのユーザーとして、このアプリを積極的に活用しようと思いました。自分の気になる店なりスポットなりをクリップできるアプリです。

さて、何をクリップするか。まずは「昼酒の名店」からいってみることにします。夜中からの仕事後、あるいは出張先で仕事を終えた後のひととき、昼酒をちょっとやるのは私の趣味ですから。

2014年5月6日

足許の宝物を

GWが終わりました。
郷里での取材、東京での打ち合わせなどを重ねた、貴重な時間でした。

地方から世界に向けた商品を生み出した和菓子職人にインタビューする機会にも恵まれました。そこで感じたのは、やはり「足許の宝物を活かすという考え方」がヒット商品を創出するのだということ。急ごしらえ、厚化粧、必然性なし、のなかからは、真のヒットは出てこないのではないでしょうか。

GW明けの明日からも、取材・執筆・メディア出演、精一杯、力を尽くしてまいります。

写真は「T五(てぃーご)」という干菓子。これは何?と思わせるほどに洒脱な仕上がりですが、まごうことなき和菓子です。お茶にもコーヒーにも、アルコールにも合うという、胸おどる一品であると、私は評価します。




2014年4月23日

人に響く土産物

先週後半から今週にかけ、福井→富山→鹿児島→福岡と出張。

鹿児島では、いくつもの特産品開発をめぐる取材をしてきました。
勉強になることがたくさんありましたが、ちいさな港の漁協長の話がとりわけ印象的でした。

人に響く土産物を作るには――
1・地元にもともとあるもののなかから
2・まだ手を付けていないものを選び取り
3・しかも、よそにない商品を作り出す

漁協の世界でいうと、こういうことだそうです。
たとえば値段が安くしかつかないものだから、獲る漁師も買う卸業者も、存在を無視している魚種があるとする。でも、使いよう=加工のしかたによっては、価値を生む可能性がある。

私は常々、「とってつけたような、厚化粧で急ごしらえの新商品を開発するのではなく、足許の宝物に注目しましょう」と話しています。漁協長の言葉に、私は強くうなづきました。


2014年4月14日

踊ってみた

YouTubeやニコニコ動画の「踊ってみた」の世界で、再生回数46万回を超える人気の踊り手がいます。

その名は、ぶらっくすわん。私の郷里・富山に在住する高校生です。

屋内での撮影が多い「踊ってみた」にあって、彼女の動画は、外での撮影。

郷里の美しい景色を上手に切り取った、透明感あふれる動画であることが特徴です。彼女のダンスと可憐な姿が人気の最大の理由であることは言うまでもありません。

そんな彼女のテレビ初出演の場に、コメンテーター 兼 インタビュアーとして立ち会えたのは光栄でした。

私が特に評価している動画は、次のふたつです。

https://www.youtube.com/watch?v=lblUEOCy9ek
https://www.youtube.com/watch?v=HX1VeXYdDxg


2014年4月8日

新番組レギュラー

郷里・富山での新番組が始まりました。毎週土曜に帰省して、スタジオ生出演します。富山テレビ放送の「富山いかが de SHOW」。

こういう番組、ずっとやりたかったのです。富山には来春、北陸新幹線が開通するのですが、遠くからの観光客やビジネス客を迎える県内の人々が、ではどれだけ地元のことを語れ、アピールできるかといえば、心許ないのが現実。ならば、毎週さまざま調べて、テレビ番組でやっちゃいましょう、という狙いです。

ハイキングウォーキングの松田洋昌さんが、毎週、他の都道府県に出かけて生中継。富山をアピールするというコーナーもあります。松田さんも、富山出身なんです(実は私と、中学校の先輩後輩の関係でもあります)。

毎週、全国各地に出張して、地域発の魅力ある商品を取材している私ですが、今月からは、土曜は必ず富山に帰るという生活になります。





2014年4月4日

外税表示は正解?

TOKYO FMの朝の番組「クロノス」に電話生出演。消費増税をめぐる動きについてコメントしました。全国ネットの人気番組ですから、聴いてくださった方は多かったかもしれませんね。

4月1日以降、最も気になったのは、消費者が日常的に利用する場であるスーパーマーケットでの外税表示(税抜き価格での表示)です。

税率が5%から8%に上昇したことは、多くの消費者が認識済みです。ただ、外税表示だと、買い物カゴに商品を入れている段階では税率上昇を意識しないままですよね。うっかりしていたら、以前の総額表示だったときの感覚で、カゴに商品を放り込むかもしれません。

そして、いざレジで会計をする段になって、増税を実感することになります。しかも、そこで上乗せされるのは、今回の消費増税分というわけではなくて、まるまる8%分が、ずどんと。

これ、消費者心理にどのように作用しますかね。前述したように、消費者の意識のなかで増税がせっかく織り込み済みなのに、と考えるなら、外税表示はかえってマイナスの効果もあるかも。

スーパーマーケットは、1点や2点ではなく、いくつもの商品を買う空間だから、なおさらなのです。しかも毎日のように訪れる場所。さらにいえば、鮮魚や野菜などは、値段が毎日のように上下する商品群です。総額表示のほうが潔いし、消費者の混乱もないように思えるのですが、どうでしょう。外税表示のマイナス面は、増税後の消費行動がひと回りふた回りしたあたりで、ボディブローのように効いてくる気がします。はなから、買い物カゴにモノを入れるのを躊躇してしまう、というふうに。

今朝の「クロノス」では、そんな話をしました。

2014年4月1日

新曲発表です! 

先週末は、郷里で、ご当地アイドル「ビエノロッシ」の新曲記者発表に登壇しました。

なぜ、ご当地アイドルの記者発表に?
新曲のコンセプトワークと作詞を、私が担当したからです。

テーマは「郷里の応援とアピール」。来春、北陸新幹線が開業します。それを見越しての楽曲制作です。

10代の子が歌う王道の恋愛ソングに見せかけて、歌詞のなかに富山のアイテムを25以上、そっと織り込むという中身にしました。方言を入れ込んだり、特産品の名を連呼したり、は一切なし。そんなことしたら、アイドルの楽曲としての発展性がありませんからね。

歌詞の内容。「クラスでめだたない私(=富山県)が、遠くから駈けてくる君(=県外からの客)に、勇気を振り絞って『私のところで立ち止まって』と声にする。でも、君は派手めの子(=石川県)が好きだから……」

作曲は鉄道メロディの巨匠、塩塚博さん。新幹線開通に向けての楽曲プロジェクトですから、駅メロのカリスマとして広く知られる塩塚さんに作曲依頼するのがいちばん、という思いからです。

記者発表、それに続くライブ。ともに盛り上がって、ほっとしました。





2014年3月27日

マーケッターと

昨日は、日本マーケティング協会でマスターコースの講師を務めました。毎年、楽しみで、かつ、緊張する講義。

大手メーカー、広告代理店、金融機関などのブランディングマネージャーやマーケティング担当者などが一堂に会する場で、メディアと企業のあるべき関係、商品づくりのキーワードについて、私の考えるところを話しました。

講義後には、受講してくれた皆さんから、具体的な商品事例について、熱心な質問を受けました。エキサイティングなひとときでした。

2014年3月26日

増税前の1週間

消費増税まで、1週間を切りました。
どのような節約策があるのか、この1〜2カ月で、いくつものラジオ・テレビ番組、新聞や雑誌コラムを通して語ってきました。

今朝は早起きして、bayfmの「POWER BAY MORNING」に電話生出演。
手持ちのクレジットカードで確認しておくと得すること、いまから買っていいもの悪いもの、などを解説しました。

2014年3月23日

CMに初出演

テレビCMに初出演。

郷里・富山でのCMなのですが、これがちょっと異例の中身です。このテレビCMで伝える商品は「ラジオ」なんです。

「ラジオの魅力を、テレビCMで訴求する」という趣旨。ラテ局(ラジオとテレビ両方を放送している局)だからこそできるCMですが、この局の皆さん自身「こうしたCMをテレビで流すのは珍しいと思う」とのこと。

「ラジオは音だけ。でも音だけだからこそ伝わることがある」
「ラジオはリモコンを使ってザッピングしない」
「どこでも、いつでも、誰といても聴けるのがラジオ」
この3つのバージョンを録りました。

振り返ると、会社員時代の2005年から、ラジオのレギュラー出演が途切れたことはありませんでした。CM収録時には、ラジオへの愛を込めて語りました。

2014年3月20日

スラローム

愛知県への出張です。豊田市とトヨタ自動車などが進める「街と交通システム」を巡る実証実験の取材をしてきました。今回の主目的は、超小型のモビリティであるi-ROADを公道で走らせてみること。

これ、本当に面白い乗り味でした。カーブのたびに、電子制御で、車両本体が左に右にと大きく傾くんです。スキーのスラローム競技をしている感じ。

リゾート地などで、このi-ROADを使ったカーシェアリング・サービスを早く始めてほしいなあと思わせます。1シーターのコミューターなので、たとえば妻と2人なら、2台借りてタンデム走行するような使い方になります。2台で相互通話できるような仕組みも付けてほしいですね。

ステアリングを切ると、こんなふうに傾きます。すべて電子制御。

2014年3月19日

バブルの世代

バブル世代は、消費を通して自らを語りたがっているーー。

朝日新聞の広告局ウェブサイトに、私が受けたインタビュー記事がアップされました。テーマは、「バブル世代の消費性向」。よかったらご一読いただければと思います。
http://adv.asahi.com/modules/feature/index.php/content0677.html

2014年3月18日

ハードル越え

昨日は、福井県の鯖江への取材出張でした。「ペーパーグラス」という老眼鏡の取材。本体の厚さがわずか2ミリ。デザインはとても洒脱です。昨秋以来、注文が殺到していて、いま予約しても1〜2カ月待ちといいます。

開発・生産しているのは、メガネフレームのメーカーではなく、メガネの部品メーカーだった会社。狭い地方都市のことです。部品メーカーがメガネの完成品の開発に踏み切るまでのプロセスでは、さまざま大変なことがあったのでは、と想像しました。

先日取材したチーズもそうですが、越えられないと誰もが思うハードルを跳んでこそ成功を掴めるのだろうなと、今回の取材でも感じました。

「ペーパーグラス」のことを綴った原稿は、来週火曜発売の「サンデー毎日」の連載コラムに掲載予定です。

2014年3月16日

週末の作業

書籍の次回作刊行に向けた企画書づくりや、今週末の講演に向けた資料づくりなどを進めている週末です。

今週土曜の3月22日には、郷里・富山で「北陸新幹線開通1年前」の大きなイベントがあり、その舞台で基調講演を務めてまいります。

ちょうど先週、ある街で、面白い取材をしてきたところです。「できっこない」「それは無理だ」と地元有力者たちから揃ってたしなめられたのを意に介すことなく、商品づくりの新しいプロジェクトを立ち上げた人物への取材でした。すでに、その街の内外から(もちろん東京からも)大きな反響を呼んでいるようです。

22日の講演は、新幹線開通を見据えたものづくりがテーマです。先週の取材を活かした内容にできればと思っています。

ちなみに新しい商品とは、こういうものです。カチョカヴァッロ、焼いたりフリットにしたりすると、それはもう強烈な美味しさです。






2014年3月14日

最近の仕事

この1年で、新しい領域に挑んでおります。

「サンデー毎日」での連載「北村森の一生逸品」。
毎週、気になる製品やサービスのことを綴っています。

郷里・富山では、まちづくりとやまのアドバイザーに就任。
今月から連載コラムを始めました。
http://www.mdtoyama.com/?tid=100151

また、同じく富山の仕事では、
ご当地アイドル・ビエノロッシに
新曲の歌詞を提供しました。
レコーディングを終えて、近々発表の予定。

テレビ・ラジオ番組への出演は、
引き続き、ありがたくお受けしています。
先日はTBSのはなまるマーケットにコメント出演、
今日はフジテレビのスーパーニュースのコメント収録でした。

リニューアル

北村です。
1年3カ月ぶりの更新です。
ウェブサイトを全面リニューアルしました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。